起業支援プログラム採択プロジェクト

京都大学・三菱商事Startup Catapult

オルガノイドを用いた「プラグイン心臓組織」による次世代再生医療の開発

事業領域バイオ・ライフサイエンス
採択年度2024
支援状況支援終了

研究代表者プロフィール

升本 英利(MASUMOTO Hidetoshi)

京都大学医学部附属病院 心臓血管外科 特定教授

京大病院心臓血管外科 特定教授。博士(医学)、再生医療認定医。市中病院での心臓血管外科医師としての臨床経験を経て、再生医療研究に従事。iPS細胞由来心臓オルガノイドの成熟化研究を基盤に、重症心疾患に対する再生医療の開発や創薬研究に取り組む。

事業化プロデューサー

⼭﨑 順也(YAMAZAKI Junya)

ShinHeart Therapeutics株式会社 創業者/代表取締役CEO

プロジェクトの概要

本プロジェクトでは、オルガノイドを用いて成熟化した「プラグイン心臓組織(PiCT)」による心臓機能拡張に基づく次世代再生医療の実用化をめざしている。 対象疾患は、いまだアンメットメディカルニーズの高い心不全を想定している。PiCTは、オルガノイドと独自の成熟化技術により作製された機能的血管網を有する成熟化心臓組織であり、次世代のオルガノイド医療として高い有効性・安全性を長期的に発揮することが期待されている。
現在は臨床に向け研究開発を推進中であり、京都大学・三菱商事Startup Catapultのプログラムに採択されたことにより、新会社の設立や事業推進を加速させている。

社会実装

心不全を対象とした次世代のオルガノイド医療

高齢化や生活習慣の変化により心血管疾患の患者は世界的に増加している。特に患者数の多い心不全は有効な治療が患者に届けられておらず、医療費の増加やQOLの低下等のさまざまな社会課題を引き起こしている。
私たちは、従来の細胞移植とは一線を画すオルガノイドと独自の成熟化技術による組織移植を開発し、心不全患者の治療と健康寿命の延伸をめざしている。
組織機能性を高めたオルガノイド医療により、パラクライン効果に加え、移植組織が宿主心臓と連動して機能する高い治療効果を発揮させる。

研究の独自性

機能的血管網を有する成熟化心臓組織

iPS細胞から誘導した多種心臓構成細胞を組み合わせた心臓組織シートをオルガノイド化し、動的培養を実施することで内部に血管を有し心筋層の厚みを増した「血管化マイクロ心臓組織(VCM)」を作製。さらに圧負荷トレーニングを加えることにより、ヒト心筋に近い成熟度と血管網形成を兼ね備えた「プラグイン心臓組織(PiCT)」の作製に成功した。PiCTは機能的血管網を有する成熟化心臓組織であり、オルガノイド医療としての独自ポイントである組織機能性を発揮することで、高い有効性・安全性を長期的に発揮することができる。

将来の展望

ShinHeart Therapeuticsを設立、臨床に向け研究開発推進中

有効性・安全性・作用機序等について大動物試験を含む初期検証を完了したことから、「オルガノイドで未来の心臓治療を創造する」ことをめざしてShinHeart Therapeutics株式会社を設立した。
現在は早期の臨床フェーズ入りをめざして、製造体制の構築や非臨床試験の推進に取り組んでいる。投資家や製薬企業のみならず、オルガノイド医療のエコシステムを共に構築する幅広いパートナーと連携し、開発を加速させていく。

2025年9月時点